パラリンピックのブーケで使用が予定されている花は、トルコギキョウ(福島県産)、
バラ(宮城県産)、リンドウ(岩手県産)、ハラン(東京都産)です。オリンピックの
ヒマワリがパラリンピックではマスコットの「ソメイティ」と同色のピンクのバラに
変わります。このブーケにおいて、バラ一輪はアスリートの存在感を表現し、周りにある
トルコギキョウやリンドウは、そばで選手をサポートしてきた方々、応援してくれる
世界中の人々をイメージして作られています。またオリンピック同様、他の花を下で
支えるものとして、東京都産のハランが使用されていますが、これは東京で大会開催の
準備に従事した人々を表しています。1人のアスリートを多くの人が支えている、という
コンセプトのもと、パラリンピックのブーケはデザインされました。また、パラリンピック
のブーケは、選手が万が一ブーケを落としても花が崩れにくいよう、ループ状のハランが
クッションとなって花を保護するデザインになっており、これまで障がい者のスポーツ大会
で数多くのブーケを制作してきた日本花き振興協議会の知見を生かした仕様となっています。
ブーケにはパラリンピックのマスコットである「ソメイティ」が取り付けられ、彩りを添え
ています。保水機能もしっかり備えられており、真夏でも問題なく鮮度が保たれる仕様に
なっています。加えて、選手がプレゼントとして観客席に投げ込むことも想定し、ブーケを
受け取る選手だけではなく、観客のみなさんも含めてケガをすることのないよう、ブーケ
内部まで柔らかい素材でデザインが組み立てられています。表彰式において、主役となるのは
死力を尽くして栄冠を勝ち取った選手たちです。そこで手渡されるビクトリーブーケは、
その栄誉を称えるもの。まさに祝福に「花を添える」役割を果たします。そして、この
ビクトリーブーケの制作に携わった関係者にもそれぞれの思いがあります。そうした背景
を知れば、東京2020大会への興味もより一層沸いてくるのではないでしょうか。
















